提案資料をAIに書かせる。20ページを30分で作った手順と、つまずいた4点

サービス資料20ページを、AIエージェントに作らせました。自分で書けば20時間かかるものです。実際の手順と、できあがったもの、そして4回やり直すことになった原因まで、全部書きます。

提案書、見積書、サービス紹介資料。作っている時間の合計を数えたことがあるでしょうか。

弊社の場合、サービス資料を1本作るのに8時間かかっていました。構成を考え、文章を書き、図を作り、体裁を整える。丸一日です。

これを30分にしました。実際にやった手順と、うまくいかなかったところを書きます。

AIに渡したのは「文章」ではなく「組み方」

最初にはっきりさせておくと、ChatGPTに「サービス資料を作って」と頼んだわけではありません。それだと、もっともらしい文章が返ってくるだけで、資料にはなりません。

渡したのは組み方です。

  • 1ページの縦横比、余白、文字サイズの段階
  • 見出し・本文・注記の書き分け
  • 表・図・写真の置き方
  • ページ番号やフッターの位置

これを決めておくと、AIは「文章を書く」のではなく「資料を組む」ようになります。出てくるのはテキストではなく、そのまま配れるPDFです。

弊社では、資料そのものをコードとして書き出す形にしています。文章と構成を決めれば、PDFが出てくる。人が触るのは中身だけで、体裁には触りません。

実際にできたもの

全20ページです。

AIが組んだサービス資料20ページの一覧

構成はこうなっています。

  • 課題(AIが止まる理由、研修やツール導入では変わらないこと)
  • 進め方(1か月のサイクル、対象業務の絞り込み、初月の日程、顧客側の負担時間)
  • 成果物と実物(実際に稼働している画面、業務例、効果の試算)
  • 契約と運用(料金、情報の取り扱い、運用と保守、FAQ)
  • 提供者

図表も、比較表も、料金表も、スクリーンショットの貼り込みも、人の手では触っていません。

一番ラクになったのは、実は画像でした

資料作りで面倒なのは、文章より画像だと思っています。

サイズを揃える。枠をつける。キャプションを入れる。レイアウトが崩れない位置に置く。1枚ならすぐですが、10枚あると1時間が溶けます。

ここも渡しています。画像ファイルを置いておけば、縦横比を保ったままリサイズし、枠線をつけ、キャプションを添えて、指定のページに配置します。この資料に入っているSlackの画面も、サイトの画面も、顔写真も、すべて自動です。

前と後

サービス資料(1本) 8時間 30分
サービスサイト1ページ 20時間の見込み 3時間
20ページの資料の作り直し ほぼ丸一日 数分

最後の行が、実は一番効いています。作り直しのコストがほぼゼロになると、資料に対する態度が変わります。

「文字が小さいかもしれないが、直すのが面倒だから今回はこのままでいい」という判断が消えます。直せばいいので。

うまくいかなかった4つのこと

ここからが本題です。「AIが全部やってくれました」で終わる話ではありませんでした。実際には4回やり直しています。

1. 文字が小さすぎた

最初の版は本文9ptで組まれていました。画面で見る分には読めます。

ところがこの資料は、A4横に印刷して稟議に回る前提のものでした。スライドの幅をA4に収めると約0.82倍になるので、印刷したときの本文は7.4ptです。決裁する立場の方には読めません。

本文10.5pt、注記9ptに上げました。印刷後で8.6ptと7.4ptです。

2. 縮んでいたことに、目視では気づけなかった

これが一番厄介でした。

資料を組むライブラリには「枠に入りきらない文字を自動で縮める」機能があり、既定で有効になっていました。縮んだことは通知されません。

実際に測ったところ、9pt指定の箇所が5ptまで潰れていました。印刷後4.1ptです。しかも1箇所ではなく、104箇所ありました。全ページを目で見ても気づけません。文字が小さいことに、見ている本人が慣れてしまうからです。

対応として、できあがったPDFから文字サイズを1文字ずつ実測して、基準を下回ったらビルドを止める仕組みを足しました。いまは印刷後8.5ptを下回る箇所が1つでもあれば、資料が出てこないようになっています。

AIに作らせるときは、AIの出力を機械で検査するところまで作らないと、この種の見落としは残り続けます。

3. 文体が「である体」だった

「〜する。」「〜ない。」で書かれていました。社内メモならよいのですが、社外に配る資料の文体ではありません。しかもFAQのページだけが「です・ます」で、混在していました。

109箇所を書き換えました。ここは指示の出し方の問題で、最初に「配布物である」と伝えていれば起きませんでした。

4. 余白が、詰まるべきところと空くべきところで逆だった

表の下端と次の見出しの間隔が0.05インチ(ほぼ密着)、一方で本文は枠の中で0.21インチ浮いていました。

原因は、使っていたライブラリの縦位置の既定が「上下中央」だったことです。枠を大きめに取ったブロックほど文字が中で浮き、隣り合うブロックで行頭が揃わなくなります。既定を「上寄せ」に変えたら、資料全体の行頭が揃いました。

それでも、やる価値があります

4回やり直したと書きましたが、4回とも数分で終わっています。

普通なら「文字を大きくすると全ページのレイアウトが崩れるので、次の改訂で」となるところです。それが数分で試せるなら、判断は変わります。

そして直した内容は、次に作る資料にも効きます。 文字サイズの基準も、文体も、余白の取り方も、仕組みの側に残るからです。だから2本目からは30分ではなく10分になります。

何を渡せば、同じことができるか

必要だったのは、次の4つでした。

  1. 体裁の基準(文字サイズ、余白、色数、罫線をどこまで引くか)
  2. 中身の出どころ(数字や事実を、どのファイルから読むか。ここを固定しないと、価格や社名が資料ごとにずれます)
  3. 画像の置き方(リサイズ、枠、キャプション、配置)
  4. 検査(できあがったものを機械で測り、基準を外れたら止める)

4番があるかないかで、実用に耐えるかどうかが決まります。1〜3だけだと、それらしいものは出てきますが、配れるものは出てきません。

この記事で紹介した資料は、ダウンロードできます

いま見ていただいた20ページの資料そのものを配布しています。中身はAI活用の顧問サービスの説明ですが、AIに資料を組ませるとどこまでできるのかを見る材料としても使えると思います。

サービス資料をダウンロードする

弊社は、この「資料を作るエージェント」のようなものを、御社の業務に合わせて作ってお渡しする顧問サービスをやっています。ロゴ、配色、章立て、いつも使っている構成。そこに合わせて作り変えます。提案書を毎週何本も作っている会社ほど、効きます。

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まずは60分。昨日の仕事を一緒に振り返り、最初にAIへ引き継ぐ仕事を見つけましょう。

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